日本弁護士連合会は4月27日、文部科学省の線量目安について「安全性に問題がある」として見直しを求める声明を出したが、文部科学省は「安全性に十分配慮した」として、見直すつもりがないことを宣言した。
どう考えるべきか。
・引用記事のように、文部科学省は今回の通知(『暫定的考え方』)を見直すつもりがないことを明確に宣言している。
つまり「放射線管理区域の規制線量」など関係ないというのが文部科学省の見解である。
・この文部科学省の見解の根拠となるのは、原子力災害時においては、「放射線管理区域」に関する諸法令よりも、原子力災害対策本部の決定のほうが法的に上位とされることからである。(原子力災害対策特別措置法)
・つまり、原子力災害対策本部が、この通知(『暫定的考え方』)に関して原子力安全委員会に意見を求め、
「差支(さしつか)えありません。」
との回答を得た上で、原子力災害対策本部名で、文部科学省と厚生労働省に対し、この通知に基づいて福島県へ指導・助言を行うよう指示していることが、文部科学省にとって、いわゆる「お墨付き」になっているためと考えられる。
・しかしながら、文部科学省通知(『暫定的考え方』)は、法的拘束力も罰則も無い「通知」であり、文部科学省の考えを伝える単なる「お知らせ」に過ぎない。
・さらに、この通知(『暫定的考え方』)が基準設定の根拠であるとしている、国際放射線防護委員会の勧告
『 国際放射線防護委員会(ICRP)Pub 109』
と
『2011年3月21日付コメント(「福島原子力発電所事故」)』
は、児童、生徒に関する特段の定めが無く、あくまでも一般の大人に関するものである。
・いっぽう、国際放射線防護委員会は、
『18才までの生徒に対しての学校における放射線防護 (ICRP Pub 13)』
という勧告において、18才までの生徒の許容限度を「公衆構成員(大人)の線量限度の1/10以下にすべき」と明確に示している。
・ところで、各地の教育委員会が大きな権限を持っていることは意外に知られていない。
地方自治の大原則により、各教育委員会は文部科学省とは関係なく独自の判断で
「校舎などの施設や教具などの設備の整備」
「教育関係職員、児童生徒等の保健、安全、厚生、福利」
「学校など教育機関の環境衛生」
等の教育行政を行なうことができる。
(「教育委員会のしくみと仕事」全国都道府県教育委員会連合会HP)
http://www.kyoi-ren.gr.jp/works/index.html
・したがって、福島県教育委員会と福島県各市町村の教育委員会は、この文部科学省通知を「あくまでも最低限度の基準(最もゆるい基準)にすぎない」と解釈することによって、国際放射線防護委員会の勧告『18才までの生徒に対しての学校における放射線防護 (ICRP Pub 13)』に基づいて、より厳しい独自の基準を各々で設定することが可能であると考える。
・また、個々の学校においても同様なことを行なうことが可能なはずである。
(個々の学校が独自に動いて良いという根拠:
中央教育審議会地方教育行政部会『地方分権時代における教育委員会の在り方について』平成17年1月13日、など)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/05012701.htm)
・今後、福島県に限らず日本の各地で原子力災害は起きる可能性がある。そのときのためにも、福島県民だけでなく我々日本国民は、今回の文部科学省通知(『暫定的考え方』)がこのまま実質運用され続けることが無いよう、各方面(県や市町村と、それぞれの教育委員会など)に働きかけを行い続けなければならない。
・今回の文部科学省通知(『暫定的考え方』)により、近い将来に放射線、放射能による児童の健康被害が引き起こされることが予想される。被害者が国に対して訴訟を起こしても因果関係が認められる可能性は低いが、仮に認められたとしても、それまでには長い年月と大変な労力が必要となる。
・その裁判の被告となる当事者は、
原子力災害対策本部本部長:菅直人(最高責任者)
原子力安全委員会委員長:斑目春樹(実質的な判断の最高責任者)
文部科学大臣:高木義明(当該通知に関する最高責任者)
文部科学省生涯学習政策局長:板東久美子(当該通知に関する責任者)
文部科学省初等中等教育局長:山中伸一(当該通知に関する責任者)
文部科学省科学技術・学術政策局長:合田隆史(当該通知に関する責任者)
文部科学省スポーツ・青少年局長:布村幸彦(当該通知に関する責任者)
であると今から指摘しておく。
9 件のコメント:
小佐古参与「官邸の対応場当たり的」と辞職届
20分前
当事者達、それに連なるもの、もう人ではないね…通知やお知らせの一つの考えと解釈して、自衛する以外なさそうですね。なんと忌まわしいことだ。
<細野氏「校庭利用の制限、基準変えず」>
2011/4/30 0:39 日経
細野豪志首相補佐官は29日夜のTBS番組で、内閣官房参与を辞任した小佐古敏荘東大大学院教授が小学校などの校庭利用を制限する限界放射線量の基準の引き下げを求めたことについて「政府の最終判断だ。下げる努力はしていく」と変更しない考えを示した。
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819481E0EBE2E1E38DE0EBE2E6E0E2E3E38297EAE2E2E2
個人と地方自治体での自衛しかない。
<橘小学校がHPで放射線の測定値アップを中止して、そして再開した件について>
ttp://newenergy-hideinu.blogspot.com/2011/04/hp.html
この記事によれば
・橘小学校がホームページ上で放射線値を公表しなくなったのは、国ではなく郡山市教育委員会の指示。
・しかし橘小学校は独自でホームページ上での数値公開を再開することにした(毎週月曜日)
地方自治の原則を放棄した郡山市教育委員会逝ってヨシ。
郡山市教育委員会、
市のHP上でも全てを放棄
郡山市> 教育委員会> 学校教育部 > 学校管理課
http://www.city.koriyama.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=18986
郡山市・橘小学校のHPでの放射線測定値公開を中止させた郡山市教育委員会。
郡山市では子供を守るべき市教育委員会が自らの権限を放棄している。市長が独自の判断で対策を行なっている。教育委員会として機能していないということだ。
素人よりは教育行政に詳しいはずの大学教員という立場である「武田邦彦」はなぜか郡山市教育委員会の実態を問題視せず看過する。
カメラの前で泣くヤツは信用ならん
更に小佐古、憤り感じ捲ったんなら1月前にはとうにきてないと不自然デスヨ
カーン下しに躍起になってから憤ったってアータw
だから泣こうとした泣き方するんでしょうけど
郡山サンこの頃どうしてるか気になってはいただけに、多忙には変わりないんでしょうけど。。
ミネ さま
ご心配ありがとう。
元郡山市民(「某郡山市民」改メ)でございますw
秀才さんや団長のように国外脱出とはいきませんでしたが、地震発生後1週間にて郡山を脱出、会津若松の親戚宅に身を寄せ、今はまた別の国内某所にて潜伏中ですw
携帯からなので思うようにブラウジングや投稿ができませんでした。
まあ、多忙は多忙っす。
ェ?秀才サンは関東のママと思ってたwそっか
一週間後って私が疎遠気味だった伯母@猪苗代に避難促し(よければドコソコあるけど?→「いがね」と想像通りの会津魂出されただけで終ったw)連絡入れた頃、
毎晩1時に孫含め家族全員社会人(伯母はメサ高齢)なので出勤に使う車に家族で交代でスタンドに並びに行ってまでしないとガソリンがって言ってた
程なくの頃の+3週そこらで県外へ万端にって凄い実行力ですよね?実はの。 サスガっす~
まだアレコレあるでしょうけどとりあえず
元郡山サンになったと聞くとヨカッタ感でナンダカほっこりしてきました。
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